10.02.22, 00:54

足を洗う

 食料自給率について考える「こども食料セッション」に参加された鳩山由紀夫首相の様子をTVニュースで観て、妙な違和感を感じてしまった。
 全国から選ばれた小学生「こども食料大使」の大人顔負けの堂々とした質問に対し、ジョークなんだろうが、どうも相手が小学生だけにもっと言葉を選んで欲しいと感じたのだ。
 オンエアされていた場面は以下のようなことだった。
 「こども食料大使」が「最近の農業ブームっていうのは、食料自給率にどのような影響与えましたか?」と質問した。
 それに対し、鳩山首相は「この世界から足を洗ったらですね、すぐ足を洗うとは言ってませんよ、農業やりたいなと。そういう農業をみんなが身近に考えることは大変素晴らしいことだと思います」と言われたのだ。
 問題点は二つ。
 まずは、「こども食料大使」はそのような回答を求めていなかったと思う点。
 鳩山首相の農業への思いは理解できるだろうが、このようなブームが起こっても食糧自給率には影響があるのか否か、しっかりとしたデータに基づく返答がほしかった。
 次に政界から「足を洗う」と言った表現。
 確かに、今は悪業も正業も関係なく、その仕事を辞める場合に使用することも耳にするが、本来の語源からすれば、この発言は問題である。
 裸足で修行から戻った僧が寺に戻り、泥足を洗うことで俗界の煩悩を洗い清めて仏業に入ったことから、悪い行いをやめることに用いる言葉である。
 自身の偽装献金問題も明確に解決していないだけに洒落にならない言い方だが、夢のある子ども達に政界を汚れた場所のように受けとめられる言葉を使わないでほしかった。
 英語でも中国語でも一度「手を染める」と、日本語のように「足を洗う」と表現せず、「手を洗う」(wash one's hands)と表現する。
 食料問題だけに「手を洗って」から話した方が良かったのだろう。
posted by nishioka   全般    

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